水墨画とセロトニン・解脱・快感

Sumiesuibokugawater 同じ文芸春秋12月号で、柳澤桂子が、セロトニン(抑制性の神経伝達物質)の分泌が、悟りの状態へ人間を導くと示唆している。ガムを噛むなど、単純なリズムが、強いストレスに打ち勝つため、セロトニンの分泌を促進し、悟りに至るのだという。玄侑は、古代インドでは「あ、う、お」の母音を重要視され、中国でも、意訳でなく音をそのまま残したままの訳で経典を残したという。

水墨画で、リズム感を表現できるだろうか?今bunkamuraで開催中の、「スーパーエッシャー展」にエッシャーが、バッハの曲を図で示した試みが展示されている。角度が音の長さ、距離が音の距離を表すモノだった。

今の音律は、キリスト教の正比率の影響で、音間が等間隔にできている。しかし、オクターブを超えると自己矛盾をはらんでくることが昔から指摘されている。一方、水墨画では、木々の枝ぶり、実のつき具合、鳥の配置、など等間隔のモノは全て廃せられる。全体構図からして、紙の中心でなく端っこに描くのだ。恐らく等間隔ほど美しいという意識を持っている現代の教育を受けてきた人間からみると、このアシンメトリーな構図は、あえて意識しないと描けない。アシンメトリーこそが、リズム感を生んでいるのだが。。

例えばこの作品は、等間隔を美しいと思う現代的美意識から抜け出せないでいた時の作品である。様々な西洋美術のシャワーを浴び、水墨画を描くとこうなるという作品の典型だ。この、等間隔な岩の羅列から、ほとばしる水流を感じることはあるのか?一見、ポスター風なこの作品は、西洋キリスト教文化を吸収している若者には、アレルギーはないだろう。しかし、自然に親しんでいる者ほど、わかってない、となる。

そのストレスを、悟りに変化させる手段はないのか?水の流路に、変化を付ければよいのではないか。一見、見るとストレスであるが、眼球の動きにリズム感を生み出し、セロトニンを分泌させ、快感につなげる。悟りに至る絵の方法論である。

Suibokugaconstruction Suibokugasumieconposition1 左と右、動きを感じるのはどっちか?

「水墨画とセロトニン・解脱・快感」への1件のフィードバック

  1. 幽体離脱を体験してみる

    幽体離脱を意識的に体験する。自分で出来る幽体離脱。

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