栗 – 水墨画の描き方

水墨画 栗(Chestnut sumi-e)
(C) Kazu Shimura 2006

こんにちは。ケーキ屋さんにモンブランが並ぶと、栗の季節がやってきたと実感します。
栗も水墨画で描くと味あいの出る画題です。

イガ

まず殻斗(カクト:イガのことです)を描きます。
薄墨を筆に含ませ、筆を寝かせた状態でスライドさせます。
小さめ、大きめ、小さめと3つ描きます。

濃墨を筆に含ませます。雑巾に筆を置き、水分は少し取ります。
先を尖らせた状態に筆毛を整えます。
筆先から紙につけ、筆を移動させず、軸を傾け、そのまま毛の根元までを紙につけます。
スタンプを押すイメージです。
筆先を紙につけるときに少し方向を変えると雰囲気が出ます。
実は3つほど描きましょう。
実の先尖はなんとなく中央に集まっているイメージ

トゲ

筆を線描用に整えます。
墨は濃墨で。水分はよく取り、筆毛は固く。
先に描いたイガからトゲを細かく描きます。
筆を紙に置き、一息入れてから、外側に描き出します。
根元は少し太め、先端は尖らせます。
描き始めをまだ乾いていないイガからにすることで、筆の墨が次第に薄れていき、濃淡がついていい感じになります。

濃緑で若干厚めの葉です。
墨も濃くして描きましょう。

線描用に筆を整えます。
葉とイガを繋ぎます。