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SUMI-E DRAWING LESSON

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水墨画の描き方 梅 線の造型と記憶




「東風吹かば、思い起こせよ梅の花」 旧暦では、新年明けて一番早く咲く花で、昔はさぞかし愛されてたのではないかと思います。木に咲く花は、桜もそうですが、なんとなく和を思い出させてくれます。 
梅の木全体を描くとき(動画①)は、枝から描きます。花が小さく、渋すぎるので、「枝ぶり命」です。その「枝ぶり」は、実際の梅の木でも、またどこかで見た線の形を思い出して、表現しても面白いです。道で見上げた電線、地図で見たロシアの川、天気予報の冬型配置、手のしわ、などなど記憶にある線を枝で表現すると、模写以上のものとなります。
花を中心に描くとき(動画②)は、おしべから描きます。小さくても、力強い感じの梅の花を表現します。

動画①

- まず、太い幹(枝)を描きます。
- 筆を寝かせ、紙を引きずるように、横に動かします。
- 紙の外から生えてるような勢いを持って描きます。
- 軸は、筆毛よりも先行して、筆を動かします。
- 枝のゴツゴツとした質感、曲がり具合は、筆を止め、軸の角度を変えることで達成できます。
- 紙に対する軸の角度を、筆毛の先か根元に向け、そこで一息付きます。
- 一息ついた場所が、枝の節となります。
- 枝(幹)の曲がりは、直線と直線のつながり(角度)で表現します。
- したがって、筆の動き(=紙に記された墨線)は、直線と止めの連続になります。
- 直線部分は筆の動きは速く、止めは止めます。
- 筆毛の根元部分は、薄墨が入っていますので、紙に根元が通ったところは薄い黒になります。
- 筆先の濃墨と根元の薄墨を利用し、幹や枝の光と影を表現します。

小枝

- 筆を線描用に作ります。
- 小枝も、長い線で一つの枝を描くのでなく、短い線を連続し長い枝を表現します。
- 枝の短線は、直線と少しだけカーブを持つ線で構成します。
- 太い枝(幹)に近い場所は、短く太く、枝先に行くに従って、細く長く描きます。
- 枝の先端は、小さな点(トメ)を最後につけます。

- 花は線描で描きます。
- 大きな丸と小さな丸を組み合わせます。
- 枝に近いところに、丸を描きます。
- 全体に丸を描き終えてから、おしべを描きます、
- おしべも線描で描きます。
- 線を入れてから、先端に点を描きます。

動画②

おしべ

- 線描で描きます。
- 筆の動きは、根元から先端へ。
- 筆の動きだしは一点に集るように注意します。
- 10本程度描きます。
- 次に、先端に点を打ちます。

花びら

- おしべを描いたまま、筆を洗わず、そのまま描きます。
- 花びらは5枚、5つの丸を描きます。
- 線描で描きます。
- 手前を小さく、向こう側の花びらを大きく描くと、上向きに。
- 向こう側を小さく、手前を大きな円で描くと、向こうに向いている花となります。
- この絵で、何を表現したいかによって花の向きに変化を付けます。
- 枝なども描いた最後に、薄墨(水も多く含む)適宜花びらに墨を入れます。

つぼみ

- 濃い墨を筆につけ、線描で描きます。
- つぼみの根元の枝も描いてしまいます。

- 花を縫うように、枝の線を描きます
- 線描を使います。
- 筆の毛の紙に当たる面を大きくします。
- そのために、筆を寝かす角度を大きくします。

動画①



動画②




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