水墨画 紅葉の描き方
「1:5の法則、1回の墨で5枚の葉」「最初に描いたモノが手前にくる」: 短い線を五枚描くと紅葉、丸く重ねると葡萄、勢いよく伸ばすと竹の葉が描けます。1回の墨で、5枚の紅葉。最初に描いた濃い紅葉が、一番上に見えるのに気づきましたか?そう、水墨画は、一番最初に描いたモノが、一番上に見えます。濃いモノが前に、薄いモノが後ろに、濃淡が水墨画の遠近法です。紅葉を描きながら、水墨画では最初に描いたものが一番前にくることを実感しましょう。
1. 葉
- 紅葉(カエデ)の葉は、1つに7枚あります。なので、1つの葉を7筆で描きます。
- 最初は、真ん中、次に両端、その次が更にその両端。(動画②参照)
- 最後に、小さく短い葉を描きます。
- 最後の2枚は、上向きに描くとバランスが取れます。
- 真ん中の葉が長過ぎると、形が悪くなります。
- また、4−5筆目の葉の方向は、なるべく広げます。真ん中の葉に対し、ほぼ直交(やや下げ気味)くらいまで広げます。
- 7筆は、それぞれ描く方向毎に、筆を持ち代えます。直筆です。
- 葉の先を尖らすために、終筆は筆先で描き終えます。終えるように粘ります。
- 途中で筆を上げると、葉の先端が丸くなってしまいます。
2. 葉のセット
- 一つのセットは、5枚の葉で構成します。
- それぞれの葉の描き出しは、前に描いた葉と重なるところから始めます。
- 葉の先端が出ていれば、モミジの葉に見えます。
- 5枚の葉は、1回の墨で描きます。途中で墨を付けずに描き終えます。
3. セットの固まり
- 5枚1セットを、幾つか描きます。(図②参考)
- 描く前に、「なにを表現するのか?」考えてから、描き始めます。
4. 幹
- 最初に筆先を紙につけ、筆をし手に引きます。
- 引きながら、筆を横に寝かせ、筆毛が全部紙に着いた状態で、筆を下に引きます。
- 最後、また筆を立たせ、筆先が最後に紙から離れるように筆を払います。
- 線描の筆を作り、幹の枠線を入れます。
5. 枝
- 線描の筆で、幹から描きます。
- コツは、あまり描かないこと。幹からの線と、一番先端の細い枝の線だけでも充分です。
- 最後の枝は、心持ち上向きに描きます。(図②参照)
動画①
動画② 紅葉の描き順 8秒
図②
図③ 逆に描いてもよい