線画と滲み:水墨画の発展

Nijimi 矢代幸雄の「水墨画(岩波新書)」に言う、「白描画は、一種独特なる美と表現力とを持ち得るにいたったとはいえ、畢竟、それは墨画発展途上の一段階たるに過ぎない、p.10」。同感である。
 
現代日本に生活している人からみて、正直昔の仏教絵画を「これは傑作だ」といわれてみても、墨で描いた漫画にしか見えず、どこに素晴らしさがあるのか、左脳で考えたところで、すでに絵の直感的な素晴らしさは失われている。

矢代幸雄はさらに、「線描それ自身が雄弁なる表現力を持ち、流走活躍するようになれば、(中略)、線描それ自身、および線描と線描の間に、墨色の調子が暈成させるという機運を感じ、(中略)線描それ自身にも、痩肥、すなわち細い太い、(中略)暈染が線描と線描の間に催されてくるのは、もっとも自然な進化であった(p.10)」と述べ、滲み、暈しへの発展を高評価している。

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